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除鉄のメカニズム(物理ろ過法)
原水に含まれている鉄を、酸素や次亜塩素酸ナトリウムなどにより酸化させ、不溶性の水酸化鉄として析出させた後、ろ材で捕捉するろ過法です。ろ材は、一般的にアンスラサイト、ろ過砂、セラミックスSなどが使用されています。また、弊社独自のろ材として、繊維ろ材「アクティファイバー」も使用することができます。
<1. 空気酸化による場合>
地下水中の鉄分は一般的に重炭酸第一鉄の形態で存在していると言われています。原水中の溶存酸素や空気中の酸素との接触による重炭酸第一鉄の酸化反応は下式であり、生成したFe(OH)3またはFe2O3・3H2Oは不溶性のSSとなります。
2Fe(HCO3)2 + 1/2O2 + H2O → 2Fe(OH)3 + 4CO2
2Fe(HCO3)2 + 1/2O2 + H2O → Fe2O3・3H2O + 4CO2
<2.塩素酸化による場合>
次亜塩素酸ナトリウムによる重炭酸第一鉄の酸化反応は下式であり、生成したFe(OH)3またはFe2O3・3H2Oは不溶性のSSとなります。
2Fe(HCO3)2 + NaClO + H2O → 2Fe(OH)3 + 4CO2 + NaCl
2Fe(HCO3)2 + NaClO + H2O → Fe2O3・3H2O + 4CO2 + NaCl
物理ろ過法は、接触酸化法に比べて精密なろ過が可能であり、処理水の鉄をほぼ完全に除去することが可能です。ただし、上記、1、2の反応によって生じたFe(OH)3をろ材の空隙により物理的に除去するため、原水の鉄の濃度によっては、ろ過継続時間即ち逆洗サイクルが短くなることもあります。その場合は、ろ材を複層積むことで鉄の捕捉量を向上させる、複層ろ過法などが有効です。
また、空気酸化の場合には鉄を完全に酸化するために、前処理槽として大きな面積が必要となります。その際に生ずるFe(OH)3が微細なSSとなる場合もありますので、処理条件の検討が必要となります。したがって、空気酸化法では、接触ろ過法との併用を推奨します。
【参考文献】 高井雄、中西弘著 「用水の除鉄・除マンガン処理」
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